ITO Thailand Hygiene Blog

Sep 05 2022

従業員という小さなものが巨大な製造ラインへ

            内から外へ向けた基礎作り

            食品安全文化(Food safety culture)の構築は、GHP規格の一部であり、方針を定め、諸資源の支援を行う経営者から、作業者レベルの従業員に至るまで組織全体の協力により実施されなければならないと明記されています。これには、改善・開発に参加させたり、アドバイスやクレーム等を受け付ける窓口を開いたりするなどの従業員を重視した活動や、心構えや業績の優良者を表彰して励みとなるよう、また、手本となるようにするという価値ある人材の支援のための活動、従業員への新しいモチベーションの構築、スキルや知識、理解向上のための従業員研修を開催し、規則に遵守する理由を従業員に理解させ、製品の安全に対する自らの重要性について意識させること(たとえば、二次汚染適正な清掃及び消毒の方法微生物の成長に対する管理、又は、時間、温度、その他食品の諸側面の品質維持、及び、野菜・果物、肉といったそれぞれの種類の食品の特性又は特に注意するべき事項に関する知識、新基準や新技術についての知識の更新等)、所定の基準に基づく知識を確認するための再研修(年次研修等)、さらに、システムを安定的に向上させるための管理、検査、及び開発の責任者チームの編成等が挙げられます。

            従業員にやる気を持たせ、良い仕事をしてもらうためには、代価という形でのモチベーションだけでなく、日々の職場の環境もまた、従業員が組織に対して好印象を持つようになる大切な要因となります。たとえば、清潔な職場や、清潔で十分なトイレ、食堂、ゴミ管理、害虫、エリアの整理整頓、騒音、大気汚染、及び水質汚濁の管理等、従業員が日々接する問題についてです。また、従業員の足を守る滑り止め付きの靴(続きを読む)、適切な椅子の調達、長時間の立ち作業に適した現場作り、重い物の持ち上げのためのサポート機器の調達、安全手袋・ヘルメット、冷蔵室用の上着の調達、事故のリスクのある建物や機械の損傷箇所の修理・メインテナンス、負担を低減し、業務効率をアシストする技術の導入等、従業員の健康と安全について考慮された業務形態も必要です。

            頭部から爪先までの配慮

            良い文化を築くための組織開発だけでなく、規則やルールを定め、従業員を基準に従わせるということも、従業員の衛生状態により発生する汚染の防止にとっては新しい物事ではありませんが、常に再確認しておくべき重要な基本事項です。また、従業員の基準維持をアシストする機器や技術も調達する必要があります。現在では、こうした点をサポートする新しい技術が多く登場しています。

            •頭部

            頭部からの汚染の大きな問題は毛髪です。一般に、衛生に関する基準としては、髪をまとめ、業務の状態に適した帽子やその他の様々な形態のものを被るよう従業員に助言することが多いです。また、抜け毛ローラー、埃や毛髪を吸引するための掃除機、エアシャワー等のグッズ・機器を追加で使用することもあります。毛髪以外に、頭部からの汚染としてよく見られるものは、髭などの顔の毛、鼻水、唾液などの分泌物です。したがって、作業者は、髭をきちんと清潔にし、作業の状態に適したマスクを着用する必要があります。

            •身体

            従業員の身体部分からの汚染としてよく発生するものは、動物の毛、アレルゲン、汚れ、原材料の染み、腕などの体毛といった従業員の衣服の上の汚染です。したがって、従業員の衣服を管理し、汚染を防止しなければなりません。たとえば、製造ラインに入る前に衣服を洗濯する、エプロンやスモックを着用する、腕からの汚染を防止するための長袖、ボタンや胸ポケットのないデザインといった適切なユニフォームを準備する、各エリアのリスクレベル毎のカラーコードを分類する、布の種類を選ぶ、洗濯・消毒をする等となります。なお、方針は、工程のリスクの大小など、製品の種類に合わせて適宜、調整・変更することもできます。現在では、AIにより画像を検知し、基準通りに帽子を着用しているか、マスクを着用しているかなど従業員の服装を評価する服装検査の技術の導入も始まっています。

            •手

            手は、食品に接触する部分ですので、最も重要な部分となりますから、一般の作業においては清潔に手を洗い、消毒することが基本となります。これは、製造ラインに入る時、休憩後やトイレから戻った後、作業の合間、ゴミや汚れたもの、アレルゲンを扱った後などに行います。また、爪をきれいにし、マニキュアを付けないことも必要です。現在では、消毒液の供給と入口扉のシステムを統合し、手を消毒してからでなければ扉が開かないようになっているもの、手洗い・消毒の動作が所定の基準に従っているか検知するAI vision system等、手洗い・消毒の基準管理のための技術が導入されるようになってきています。

            •靴

            靴は、様々な汚れや汚染を製造エリアに持ち込む主要な媒介となります。したがって、一般に、長靴、短靴(踵まで覆われているシューズ)等の製造に適した靴への履き替えが行われています。また、訪問者には靴カバーを使用することもあります。さらに、塩素殺菌槽、自動靴洗浄装置等、製造エリアに入る前に靴を洗浄・消毒するための追加装置を使用することもあります。

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