ITO Thailand Hygiene Blog

May 03 2022

食材管理(肉類製品)

            本項では、食品の良質な食材の選定と安全性及び品質基準に即した食材管理にはどんな原則があるかについてみていきたいと思います。

            一般的に各種加工食品は、肉類などの食材より作られます。その後、希望の形にすべく工場に送られ輸送待ちのために製品倉庫に送られます。そして最後にスーパーなどの各種小売りに納入されます。適切に食材が取り扱われない場合、この輸送と加工プロセスの最中に身体的、化学的、生化学的に危険である混入リスク、及び二次汚染リスクが生じます。

            先ず一点目に重要であるのは、適当な管理を行うための各種食材の種類分けです。本項では基本対応の規準とするための肉類の管理について以下の通りお話します。

            通常屠畜及び解体後の肉の筋肉は酸素の供給が断たれた状態となり、酸素を必要とする生化学的反応は停止します。これにより、乳酸が生成されpH値を低下させるために死後硬直(Rigor mortis)が発生します。腐肉をカットするには死後硬直後の肉の軟化を待つ必要がありますが、家畜の種類によってその時間は異なり牛肉の場合は18~24時間、豚肉の場合は5時間となります。(1)

            家畜のストレスと解体前の屠畜での状況は、肉質に直接的に影響を与えることはよく知られていることでしょう。私たちが最も望まない肉の状態の一つ目として「Dark, Firm and Dry; DFD」が挙げられますが、これは濃い肉色、赤紫色で場合によっては黒くなりかけており、タンパク質の高い保水性によるしまった肉質が特徴的です。前駆体物質となるグリコーゲンにより乳酸が生成されますが、ストレスが筋肉部分のグリコーゲンを消耗させ、グリコーゲンの消耗が増すことにより乳酸を生成する前駆体物質が足りなくなります。乳酸の量が少ないために肉のpH値が5.9-6.5まで下がり適切値とされる5.7よりも高いためDFDが生じるのです。(2) これは牛肉や山羊肉、羊肉でよく見られる現象です。

            これらを引き起こす原因は、基準を満たさない輸送や狭い敷地での多頭飼育、暑すぎるまたは寒すぎる気温、適切な量の餌が与えられていなかった、他の種別の動物との合同飼育などであり、これにより屠畜前の長期間、家畜にストレスが溜まってしまうのです。

            これと真逆の状態を「Pale, Soft and Exudative; PSE」と言い、ミオグロビンの欠如により肉が淡い色をしており、筋肉の乳酸が高いため、保水能力を失ったタンパク質による水っぽさがある(これにより肉のpH値が低下。)といった特徴を有しますが、これは屠畜前のごく短時間の家畜のストレスが原因であり、pH値が急激に低下したためです。この肉を調理した際には硬いと感じられるでしょう。PSEは主に豚肉と鶏肉に発生しますが、牛肉にも発生するという研究報告もあります。(3)

            肉類にはタンパク質が含まれており、その他にも身体に不可欠なヨウ素や鉄分、亜鉛、ビタミンB12、オメガ3など様々なビタミンやミネラルが豊富です。消費者は、製造日または賞味期限が明記されており梱包がきちんとされている肉類を選んで買うと良いでしょう。病原体の増殖を削減するために4℃以下の冷蔵庫に保存し、きちんと火を通して調理をしなければなりませんが、安全とされる温度は肉の種類によって異なります。例えば魚であれば63℃、ひき肉やソーセージは71℃、牛肉は焼き加減がミディアムレア、ミディアム、ウェルダンの順に63℃、70℃、77℃です。(4) 中がまだ生である牛肉(焼き加減がレアのものなど)を食べられるのは、牛肉の肉質がしっかりしているのと病原体は主に牛肉の表面にいるため生肉内に入り込めないからです。生で食べることができない鶏肉や豚肉とは異なっています。肉の種類の他にも、産地や適切な管理、衛生管理基準への準拠などによっても異なります。(5)

            野菜や果物、その他の食べ物の品質や栄養素も肉類と同様に様々な要因により低下します。例えば、不適切な温度下での保存や輸送中の衝突または害虫により発生した傷などです。これらの傷からバクテリアが侵入し野菜や果物を腐らせたり日持ち期間を短くしたりしますが、これについてはまたの機会にお話ししたいと思います。

            ITO(THAILAND)LTD.は消費者に寄り添い、食品生産者と合同で基準を設け、公衆衛生の規準に即し、食品法に則った生産工程の発展と改善に携わって参ります。消費者にとっての利益を最大限とすべく、各所の食品生産工場の現場に対して公衆衛生施策のご提案サービスを提供し、公衆衛生、公衆衛生面の対応に関する認識を高め、現場作業者に助言を行います。アフターサービスも対応しておりますので網羅されたサービスの提供が可能です。もっと詳しく ここをクリック 

References

1.‪Kanithaporn Vangnai. Meat and poultry products technology. [Handout] Department of Food Science and Technology, Kasetsart University.

2.Courtney Simons. DFD AND PSE MEATS [Internet]. [cited 23 Feb 2022]. Available from https://cwsimons.com/meat-quality-dfd-and-pse-meats/

3.Aalhus, J.L.; Best, D.R.; Murray, A.C.; Jones, S.D.M. A comparison of the quality characteristics of pale, soft and exudative beef and pork. J. Muscle Foods 1998, 9, 267–280

4.Better Health Channel. Meat and poultry [Internet]. 2017 [cited 23 Feb 2022]. Available from https://www.betterhealth.vic.gov.au/health/healthyliving/Meat-and-poultry

5.John Staughton. Why Are Some Meats Eaten Raw And Some Are Not? [Internet]. 2022 [cited 23 Feb 2022]. Available from https://www.scienceabc.com/humans/why-are-some-meats-eaten-raw-and-some-are-not.html

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