ITO Thailand Hygiene Blog

Nov 14 2022

Physical Hazard Contamination

            食品によく見られる物理的危害とは、硬い物や尖った物、気管に詰まる可能性のある大きさのものを飲み込むことによる危害です。これらは、窒息させたり、喉に詰まって消化器系を傷つけたりすることがあり、歯に欠け・折れ・傷・ヒビが生じたり、歯茎に炎症が起こったりすることもあり、消費者の健康に直接影響するものです。物理的汚染は、製品リコールに及ぶ重大な影響をもたらすこともあります。たとえば、2018年、アメリカ食品医薬品局では、プラスチック屑の汚染による鱈製品のリコールがありました[2]。このプラスチック屑は喉を傷つけたり喉に詰まったりする可能性のあるもので、検査タグ(inspection tag)、すなわち、原材料製造業者が付けたデータ表示札によるものでした。また、ハッシュドブラウンポテトの製品リコールというのもありました[3]。これはゴルフボールの材料による汚染で、原材料であるジャガイモの収穫方法が不適切だったためでしたが、消費者の安全のため、製品リコールが必要となってしまいました。

            したがって、食品産業においては、物理的危害が非常に重要な問題であることは否定できません。製造業者は、危害防止に気を配る必要があります。

            危害を及ぼす物理的汚染に関する基準

            タイ国の基準では、材料の大きさによって物理的危害と指定されることはありませんが、一般に参照されているのはアメリカ食品医薬品局の基準(USFDA CPG Sec. 555.425 Foods, Adulteration Involving hard or Sharp Foreign Objects[1])です。この基準に明記されている内容は、下記の通りとなります。

            1自然の状態で硬い食品や尖っている食品。たとえば、ナッツの殻、魚の骨など。これらについては、そのような構成物が除去してある食品だと明記されていなければ、そうした構成物があるものだと消費者が最初から気を付けていますので、危害となることはあまりありません。但し、これらの構成物やその屑も思わぬ危害を及ぼすこともあります(たとえばチェリー製品の場合、種抜きと表示されていたのに種の欠片が入っていたなど)。

            2.インスタント食品又はほんの少し加工すればいいだけの食品(摂取前に温めるだけなど)について、危害を取り除くことが不可能な場合、危害となる材料の大きさとは長さ7〜25ミリメートルの硬い物又は尖った物となります。

            3.製品中に7〜25ミリメートルの材料の汚染がある場合で、調理により危害を取り除くことが可能な場合(ふるい分けなど)、適切な調理方法を明記しなければなりません(危害の除去に十分なふるい分けのためのザルの網目寸法など)。

            4.製品の対象者がリスクのある人や弱者(乳幼児、病人、高齢者など)の場合、7ミリメートル未満の小さな材料でも危害を及ぼすリスクがあります。

            5.一般に、長さ25ミリメートルを超える材料は健康に危害を及ぼします。

            よく見られる物理的危害の発生源[4, 5]

            •原材料

            原材料による物理的危害は、原材料の製造業者の作業が衛生的でなかったり、注意を欠いていたり、安全に配慮していなかったりすることにより起こる可能性があります。たとえば、収穫時に注意を払っていなかったために砂利、砂、枝、石といった環境からの異物の汚染が発生することがあります。また、ビニール袋、木製パレット、箱、段ボールといった原材料に使われる包装容器や、札などが不適切だったために破損して製品を汚染することもあります。さらに、原材料の加工工程が不適切だったり、ミスがあったり、予防策が不十分だったりすることもあります。たとえば、食肉を切り分けた時の骨片、種抜き工程で取り残した植物の種(硬い大型のもの)などとなります。

            •従業員

            従業員も物理的汚染の発生源となることがあります。これには、髪の毛、体毛、衣服や靴に付着した汚れなどがあります(続きを読む)。また、従業員が装飾品やペンのキャップ、ボタン、付け爪、チューインガム、ティッシュペーパー、絆創膏といった異物を製造工程に持ち込み、それらが食品を汚染してしまうこともあります。

            •製造工程内の備品、工具、機械

            手袋、ナイフの刃、ビニール袋を留めるホチキス針といった製造工程に関連する備品、製造使用機械のノット、ネジ、鉄屑、緩衝材の屑、ゴム屑、また、圧力ゲージのカバーやガラス瓶、サーモメーターなど関連機器のガラス片といったものです。これらは、破損・損傷したり、扱いに注意を払っていなかったり、長期の使用で劣化していたりすると、製品に思わぬ汚染を発生させることがあります。

            •環境

            物理的汚染の可能性のある環境とは、建物構造の材料、電気ケーブル、また、石や砂、セメント、煉瓦、ガラス、金属、木材、セラミック、壁の塗料といった建設資材、有害生物がもたらす異物、生物の糞、虫の死骸などをいいます(続きを読む)。

            このように、考慮しなければならない物理的汚染の発生源は多岐にわたっています。次回は、物理的危害のリスク予防と低減のお話をしたいと思います。私たちがタイ社会の食品安全と食品産業における製造基準向上のお役に立てれば光栄です。皆様のお役に立てるITO Thailandの記事は弊社ウェブサイト及びFacebook ITO Hygiene Thailandにて、毎週ご覧頂けます。

References

1.2005. CPG Sec. 555.425 Foods, Adulteration Involving hard or Sharp Foreign Objects. Online: https://www.fda.gov/media/71953/download?fbclid=IwAR3mT-oWxNmWUbFAtQB9ctaHQzyMEnVK98HJ4-qa2ZZAM7iTp2NCjdv-P8U

2.2018. Trident Seafoods Corporation Recalls Frozen Multi-Grain Alaskan Cod Due to Possible Health Risk. https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/trident-seafoods-corporation-recalls-frozen-multi-grain-alaskan-cod-due-possible-health-risk

3.2018. McCain Foods USA, Inc. Recalls Frozen Southern Style Hash Browns Due to Possible Health Risk. Product is Sold and Distributed Under The Roundy’s and Harris Teeter Retail Brands. https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/mccain-foods-usa-inc-recalls-frozen-southern-style-hash-browns-due-possible-health-risk-product-sold

4.スポット・ブンレーン『食品品質の管理』(チエンマイ、ラーチャパット・チエンマイ大学、2004)

5.College of Applied Medical Science Department of Environmental Health. 2018. Introduction to Food Safety and Microbiology Lecture 7 PHYSICAL FOOD OF CONTAMINATION. online: http://ams.uokerbala.edu.iq/wp/wp-content/uploads/2018/03/LEC7-food-safrty.pdf

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