ITO Thailand Hygiene Blog

Jun 26 2023

ノンデイリーミルク

            ミルク、チーズ、ヨーグルトは、タンパク質、カルシウム、ヨウ素、ビタミンA、Dなどの栄養素や多数のビタミン、ミネラルを豊富に含む乳製品です(9)。 乳糖もこうした有効な成分の一つで、ラクターゼという酵素によって、より単純な糖であるグルコースとガラクトースに分解されます(10)が、一部の人は普通の人ほど多くのラクターゼを体内で作り出すことができないため、ミルク中の乳糖に耐えられず、腹痛や腹部膨満感、下痢、鼓腸などの症状を伴う乳糖不耐症を引き起こしてしまうのです(5)。

            そこで、食品科学者たちは、ノンデイリーミルクという解決策を思いつきました。これは、植物性ミルクや乳製品代替品など、複数の名前で知られており、豆乳、アーモンドミルク、ライスミルク、オーツミルクなどの製品があります(Univar Solutions、2023年)。このブログでは、ノンデイリーミルクの歴史と需要の高まり、乳製品産業への影響、製造工程、メリットとデメリットについて考察します。

ノンデイリーミルクの歴史と需要の高まり  

            ノンデイリーミルクの中には、古くからあるものもありますが、最も古いノンデイリーミルクは1365年の漢文にも記載されている豆乳だと言えるでしょう(16)。19世紀には、最もポピュラーなノンデイリーミルクとして、欧米やアジア、オーストラリアで豆乳製品が広く販売されるようになり、その人気が高まりました。

            前述のように、ノンデイリーミルクは、乳糖不耐症の人のための代替ミルクとして使用されることが多いですが、乳糖不耐症は東アジア人が最も多いのです(驚くべきことに、70~100%の人が乳糖不耐症であると報告されています )(12)。そのため、ノンデイリーミルクの需要は飛躍的に高まっています。さらに、ヴィーガン(プラントベース食品へリンク)や動物愛護への関心も、ノンデイリーミルクの需要を押し上げています(6)。

乳製品産業への影響(15)

            ノンデイリーミルクは今やミルク市場全体の10%を占めています。消費者がデイリーミルクからノンデイリーミルクに移行する理由としては、独特の風味がある植物性ミルクという新しい味への興味、動物愛護への関心、環境への影響の少なさなどが考えられており、今後数年間は成長が続くことが予想されます。

どのように作られるか?(製造工程) (8, 14)

            原料(例えばナッツ、マメ科植物、種子、ココナッツ)が異なれば、製造工程も異なりますが、主な工程は似ています。まず、原料を12時間程度浸し、その後、特定の大きさにすりつぶす、またはピューレ状に混ぜ合わせます。製造工程で一貫性を保つことが求められる製品なので、場合によっては、安定剤や増粘剤を添加することもあります。

            高圧処理やパルス電界、紫外線、超音波、マイクロ波、オーム加熱などの熱/非熱技術を用いて、殺菌、有害な細菌の数を減らし、賞味期間中、安全な製品を維持することができます(1)。 また、こうした革新的処理技術には、高圧処理によりコロイド粒子径が縮小することで均質性・安定性が向上する(2)、パルス電界の高電流化・低温化により細胞構造に細孔が発生することで微生物負荷を低減するなど、多くのメリットがあると考えられています (1)。

            加えて、食品の官能特性に影響を与え、安全性や品質の低下や好ましくない腐敗につながる微生物負荷や酵素活性を低減するためには、食品の安全性や品質と関連する低温殺菌が製造工程の主な焦点となります(13)。

ノンデイリーミルクのメリットとデメリット

          現在、ノンデイリーミルクは、様々な種類が販売されており、消費者に多くの選択肢を提供しています。牛乳と比較すると、ノンデイリーミルクはカルシウムやビタミンDを多く含み、1食あたりのカロリーが低く、フレーバーの種類も豊富で、アイスクリームやミルクコーヒーなど、新しいレシピの製品を柔軟に作ることができるうえ、温室効果ガス排出量を3倍削減することができます(11)。 考察してきたように、こうした製品には乳糖が含まれておらず、摂取しても胃腸に負担がかからないことから、乳糖不耐症の人にはノンデイリーがおすすめなのです(4)。

           一方、ノンデイリーミルクはデイリーミルクより高価で(7)、タンパク質含有量が少なく、増粘剤や甘味料などの添加物を含むことが多いため、クリーンラベルのパッケージではなく(消費者に好まれない成分を含む)(11)、ノンデイリーミルクの中には例えば、ナッツアレルギーを引き起こす可能性のあるアーモンドミルクなど、アレルギー反応を引き起こしかねないものもあります(3)。

            デイリー(ノンデイリー)ミルクはどれも味、栄養価、価格などが異なるため、どのミルクが各人に適しているかを理解することが大切です。メーカーは、消費者のニーズを知り、それを満たすことが求められているのです。ITO Thailandでは、食品工場の衛生管理ソリューションやコンサルティングサービスを提供しています。詳しくはこちらをクリックしてください。

References

1.Bocker, R., & Silva, E. K. (2022). Innovative technologies for manufacturing plant-based non-dairy alternative milk and their impact on nutritional, sensory and safety aspects. Future Foods, 5, 100098. https://doi.org/10.1016/j.fufo.2021.100098

2.Codina-Torrella, I., Guamis, B., Ferragut, V., & Trujillo, A. J. (2017). Potential application of ultra-high pressure homogenization in the physico-chemical stabilization of tiger nuts’ milk beverage. Innovative Food Science and Emerging Technologies, 40, 42–51. https://doi.org/10.1016/j.ifset.2016.06.023

3.Corey, S. (2014). The Pros and Cons of Non-Dairy Milk. Retrieved March 12, 2023, from https://www.active.com/nutrition/articles/the-pros-and-cons-of-non-dairy-milk

4.Cross, P. I. (2022). Plant-based milk alternatives: Which one meets your dietary needs better? Retrieved March 12, 2023, from https://www.medicalnewstoday.com/articles/273982

5.Department of Health & Human Services. (2022). Lactose intolerance. Better Health Channel. Retrieved March 11, 2023, from https://www.betterhealth.vic.gov.au/health/conditionsandtreatments/lactose-intolerance

6.(2023). The Rise of Plant-Based Milks. Retrieved March 11, 2023, from https://www.framptons.com/the-rise-of-plant-based-milks/

7.Hagen, B. (2020). Dairy vs Plant-Based Milk Alternatives: Which is Really Better? Retrieved March 12, 2023, from https://www.diligentspoon.com/dairy-vs-non-dairy-milk-pros-cons/

8.Hale, M. (2021). Exploring the Growth of Plant-Based Milk. Retrieved March 11, 2023, from https://www.foodmanufacturing.com/consumer-trends/article/21723117/exploring-the-growth-of-plantbased-milk

9.Healthdirect Australia. (2021). Dairy foods. Retrieved March 11, 2023, from https://www.healthdirect.gov.au/dairy-foods

10.Institute for Quality and Efficiency in Health Care (IQWiG). (2010). Causes and diagnosis of lactose intolerance. Retrieved March 11, 2023, from https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK310263/

11.Karch, M. (2021). The Pros and Cons of Milk Alternatives. Retrieved March 12, 2023, from https://www.nutritiondynamixrd.com/blog/the-pros-and-cons-of-milk-alternatives

12.(2010). Lactose intolerance. Retrieved March 11, 2023, from https://medlineplus.gov/genetics/condition/lactose-intolerance/

13.Mukhopadhyay, S., & Ukuku, D. O. (2018). The role of emerging technologies to ensure the microbial safety of fresh produce, milk and eggs. Current Opinion in Food Science, 19, 145–154. https://doi.org/10.1016/j.cofs.2018.01.013

14.Olukiran, T. (2023). How Is Vegan Milk Made? Retrieved March 11, 2023, from https://allplants.com/blog/lifestyle/how-is-vegan-milk-made

15.Univar Solutions. (2023). How Plant-Based Milk Is Impacting the Dairy Industry. Retrieved March 11, 2023, from https://discover.univarsolutions.com/blog/plant-based-revolution-milk/

16.Viva! (2023). History of Plant Milks. Retrieved March 11, 2023, from https://viva.org.uk/health/why-animal-products-harm/dairy-products-health/history-of-plant-milks/

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