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Apr 17 2023

アルコール0.0ビール

            アルコール飲料の過剰摂取は有害であり、しばしば怪我や暴力、アルコール中毒、危険な性的行動などの短期的な健康リスクにつながることが知られています(2)。また、高血圧や心血管疾患、がん、精神疾患、社会問題などの慢性疾患の発症も、アルコールの誤飲と関連があります (2) 。そのため、ここ数年、若者の飲み物の好みは、ビールやワインから低・ノンABV(アルコール度数)飲料に変わってきています(4)。このブログでは、ノンアルコール飲料の消費トレンド、ノンアルコールビールの紹介、製造技術、今後のトレンドについて考察します。

ノンアルコール飲料の消費トレンド

            低・ノンABV飲料が人気を博している主な理由は、飲酒者がそうした有害な健康リスクを認識するようになり、中には、飲酒をやめたら自尊心が高まり、日常業務がより生産的になったと認める人もいるからです(3)。お酒はかつて、人と付き合うためのツールとして使われることが多かったのですが、今はオンラインのソーシャルネットワークで簡単に知り合うことができるため、お酒の必要性が減ってきています (3)。飲まないと損をする、社会生活が制限されるかもしれない、排除されるかもしれないと告白する人がいたとしても、それでもお酒は飲まない方がいいと彼らは思うのです (3) 。カフェ文化の台頭により、コーヒーが生活の一部になっていることも理由の一つです。オーストラリアでは人口の約半数(46%)がコーヒーを飲むと言われており、4人に3人が1日に1杯以上コーヒーを飲むと答えています (16)。

            当初は「ドライ・ジャニュアリー(1月は禁酒)」や「ドライ・ジュライ(7月は禁酒)」「ソーバー・セプテンバー(しらふな9月)」など、一定期間アルコールから離れたい人がチャレンジしていましたが、実際にアルコールから離れてみると、心身ともに健康になったと実感したため、禁酒の継続を決意し、健康意識の高まりが見られるようになったのです(9)。アルコール度数を抑えたアルコール飲料、変わったものや新しい味を好む消費者が飲料を購入する際の最優先事項である多様なフレーバーのRTD(ふたを開ければそのまま飲めるドリンク)、持ち帰り用カクテルなどの利便性、環境に配慮した持続可能なパッケージなどのトレンドは否定できません(11)。

アルコール0.0ビールとは?

            ゼロアルコールビールとアルコールフリービールには、いくつかの違いがあります。「アルコールフリー」ビールは通常、発酵の過程で微量のアルコールを含んでいます。例えば、イギリスでは、アルコール度数が0.5%の飲料は「アルコールフリー」または「ノンアルコール」と表示できますが、USFDAの規定では、ABV(アルコール度数)0.5%の飲料は「微アルコール」と表示することになっています(1)。アルコール0.0ビール/ゼロアルコールビールは、100%アルコールフリーのビールで、アルコールを全く含んでいませんから (6)、アルコールを摂取できない方、また炭水化物をごく少量に抑える必要があってケトジェニックダイエットをしている方にも適しています (5) 。一般的なビールに似た味を持ちながらも、より健康的で、同時に低カロリーであることから、完全なアルコールフリービールが好きというのが消費者の声です(7)。

製造技術

            数多くの製造技術がありますが、以下にいくつか例を挙げます。

            1.減圧蒸留‐最も一般的な方法です。真空により沸点が下がった状態で、蒸発するまでアルコールを加熱するため、通常、アルコールよりも沸点の高いフレーバー成分の劣化を防ぐことができます(8)。

            2.逆浸透膜または膜ろ過‐ 高圧力と高熱を利用してアルコールを除去するもので、アルコール分がろ過液から除去されても、フレーバー成分はフィルターの反対側に保持され、後で再結合されるため、従来の熱抽出よりも産出量とフレーバーが良くなります(8, 14, 17)。

            3.低温接触発酵(CCF)または低温接触加工(CCP)‐ 低温発酵と発酵時間の延長により、低アルコールまたはアルコール0ビールを製造する方法です(13)。

今後のトレンド

            先に考察したように、メーカーには顧客のニーズを把握し、革新的な製品を生み出すための準備が求められています。2022年の市場規模220億ドルからして、2023年、アルコール0.0ビールの需要は拡大が予想され、アンハイザー・ブッシュ・インベブやハイネケンなどの企業は新しいノンアルコールビールを発売しています (15) 。アスレチック・ブリューイング社のノンアルコールビールの売上は、健康志向の高まりに加え、アルコール消費時間が週末に限定されなくなったことから、過去5年間で70%増加しています(12)。アルコール0.0ビールは、2033年には、2023年の市場規模200億ドルの倍、400億ドルの市場規模が予測されており、人気の高まりが見て取れます(10)。

            パンデミックが食品業界に与えた影響を考察し、ノンアルコールの出現を目の当たりにしてきました。食品業界で競争力を維持するためには、常にトレンドに敏感であることが重要です。

References

1.(2021). What’s the Difference Between 0.0 and 0.5 Proof? Deciphering Alcohol-Free and Nonalcoholic Drinks. Retrieved March 10, 2023, from https://boisson.co/blogs/news/what-s-the-difference-between-0-0-and-0-5-proof-deciphering-alcohol-free-and-nonalcoholic-drinks#:~:text=Here%20in%20the%20United%20States,alcoholic%20and%20never%20alcohol%2Dfree.

2.(2022). Alcohol Use and Your Health. Retrieved March 10, 2023, from https://www.cdc.gov/alcohol/fact-sheets/alcohol-use.htm

3.Conroy, D. (2020). Why young people are drinking less – and what older drinkers can learn from them. Retrieved March 10, 2023, from https://theconversation.com/why-young-people-are-drinking-less-and-what-older-drinkers-can-learn-from-them-133020

4.Cottong, A. (2021). 2022 Alcohol Trends: What Consumers are Drinking Now. Retrieved March 10, 2023, from https://get.doordash.com/en-us/blog/alcohol-trends

5.(2020a). Can you drink alcohol on the keto diet? Retrieved March 10, 2023, from https://www.delicious.com.au/drinks/article/can-you-drink-alcohol-keto-diet/mcjvobg4

6.(2020b). What is zero alcohol beer? Retrieved March 10, 2023, from https://www.delicious.com.au/drinks/beer/article/zero-alcohol-beer/h9g20j8p

7.(2023). Differences between alcoholic and non-alcoholic beers | Drinkaware. Retrieved March 10, 2023, from https://www.drinkaware.co.uk/facts/alcoholic-drinks-and-units/difference-between-alcoholic-and-alcohol-free-beers

8.Free Beer. (2022). How is Non Alcoholic Beer Made? | Free Beer. Retrieved March 10, 2023, from https://free-beer.co.uk/how-is-non-alcoholic-beer-made/

9.Fulton, A., & Aubrey, A. (2019). Breaking The Booze Habit, Even Briefly, Has Its Benefits. Retrieved March 10, 2023, from https://www.npr.org/sections/health-shots/2019/06/23/732876026/breaking-the-booze-habit-even-briefly-has-its-benefits

10.Jha, S. N. (2022). Non-Alcoholic Beer Market. Retrieved March 10, 2023, from https://www.factmr.com/report/4473/non-alcoholic-beer-market

11.Kerschbaumer, C. (2023). Alcoholic beverages: these are the trends in 2023. Retrieved March 10, 2023, from https://www.austriajuice.com/news-blog/alcoholic-beverages-trends

12.Morgan, D. (2022). A new trend is brewing: Nonalcoholic beers & mocktails. Retrieved March 10, 2023, from https://www.cbsnews.com/news/a-new-trend-is-brewing-nonalcoholic-beers-mocktails/

13.Pilarski, D. W., & Gerogiorgis, D. I. (2020). Progress and modelling of cold contact fermentation for alcohol-free beer production: A review. Journal of Food Engineering, 273, 109804. https://doi.org/10.1016/j.jfoodeng.2019.109804

14.Swiers, A. (2022). The 2 Ways Low-Alcohol Beer Is Manufactured. Retrieved March 10, 2023, from https://www.tastingtable.com/878446/the-2-ways-low-alcohol-beer-is-manufactured/

15.Thomas, I. (2022). Non-alcoholic beer to continue growing in 2023, Athletic Brewing Company CEO says. Retrieved March 10, 2023, from https://www.cnbc.com/2022/12/30/non-alcoholic-beer-set-to-continue-to-grow-in-2023.html

16.Unilever Food Solutions. (2023). The rise of coffee culture and new coffee trends. Retrieved March 10, 2023, from https://www.unileverfoodsolutions.com.au/chef-inspiration/cafe360/modern-menus/the-rise-of-coffee-culture-and-new-coffee-trends.html

17.Wong, M. (2023). Alcohol-Free Beer: How Is It Made? Retrieved March 10, 2023, from https://impossibrew.co.uk/blogs/journal/how-its-made-alcohol-free-beer

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