ITO Thailand Hygiene Blog

Jan 24 2022

代替食品 Alternative foods: Carbohydrate

炭水化物代替食品

          従来の炭水化物の代替製品への関心の流れは、様々な理由で生じています。例えば、甘味の値による物品税(砂糖税)の問題により、事業者は、製品内の砂糖の量を減らしながらも同程度の甘みを維持するために、砂糖に代わり甘味料を使用しなければならなくなり ましたし、糖尿病患者、健康志向、糖質制限の食事やケトン食(Ketogenic diet)、低GI食品(Glycemic index グリセミック指数)、あるいはベーカリー製品の主な原材料である小麦粉など、特定の消費者が特定の食品を食べることができないタンパク質アレルギーの問題からも、小麦粉を含まないあるいはグルテンフリー(Gluten free)の、通常のベーカリー製品同様の特性を維持した代替品が開発されています。

         このように、こうした代替製品には、色、風味、味、食感が、従来品に近い、あるいは新しい特性があるなど、消費者が受け入れる核となるものが必要なのです。

         炭水化物代替製品は、甘味の代わりとなるもの、満腹感の代わりとなるもの、または増量剤(bulking agent)として作用したりするものと、その機能に応じ分類することが できますが、炭水化物から発生するエネルギーを減らす、あるいは健康への影響のために 炭水化物の種類/食品構造を変えることを目的としています。

        甘味の代わりとなるものの場合、グラニュー糖やスクロースに代え、糖アルコール(ソルビトール、キシリトール、マルティトール)、ザカリン、チクロ、アスパルテーム、スクラロース、ステビアエキスなどの代替甘味料が使用されます。これらの甘味料は通常、グラニュー糖よりも180〜600倍甘く (1) (砂糖ほど甘くない糖アルコール物質を除く)、低カロリー、種類によってはカロリーゼロ、少量加えるだけで、砂糖と同等の甘味を得ることができます。

        ただし、これらの甘味料を、100%砂糖の代わりとすることはできません。というのも、甘味料にはそれぞれ、甘味成分の特徴など多くの制限があり、甘味の特徴も異なるからです。のどで甘味を感じるものもあれば、苦みが残るものもあり、消費者は、認識することができるのです。また、中には、遺伝性疾患、フェニルケトン尿症の患者には有害なアスパルテームなど、患者に対し制限のある甘味料もあります。

           甘味料は、独特の色や味のもととなるカラメル化反応、製品への粘度増加、微生物防止、グラニュー糖とは異なる融解・結晶化点など、グラニュー糖の物理的・化学的性質を置き換えることはできません。一部の甘味料は、耐熱性が高くないために、ベーカリーや 揚げ物などの加熱製品には使用できません。一部の種類は、酸性の状態では安定しないため、酸味のある飲料への使用には適していません。また、中には、排泄効果がある糖アルコールなど、大量摂取した場合に副作用が出て、膨満感や腹部の不快感を引き起こす可能性がある甘味料もあります (2)。故に、保健省は、2020年保健省告示(418号)に従い、製品に加える甘味料の最大量を定めているのです。

             デンプン群における炭水化物の代替については通常、炭水化物またはデンプンが 糖に消化され、血液中に吸収される速度を示すグリセミック指数(glycemic index)によって判断されます。これは、酵素の消化速度、消化可能な糖質構造、消化を妨げる可能性があるデンプン粒の構造特性、炭水化物分子の構造特性によるものです。体が炭水化物を 消化し、すぐに糖として吸収することができる場合、その食事はグリセミック指数が高くなり、血糖値が急激に上昇、分泌が起こり、体が血糖を管理するためインシュリンを分泌するようになります。これにより、インスリンの異常分泌が起こるという糖尿病患者の問題となり、血中の糖の管理効果が低下するため、糖尿病患者は、グリセミック指数の高い食品を制限する必要があるのです。また、血糖値が急激に上昇した後は、血中の糖が低下し、体は、急速に空腹を感じるようになります。よって、炭水化物の構造変化を難しくする(安定した形でデンプンを結晶化させる、あるいは脂質との複雑な構造にするなど)、あるいは酵素の消化を妨げる物質(食物繊維など)を加える、あるいはデンプンの種類を体が消化しにくい構造を持つデンプンに変えるといった特性を持つ、デンプン代替製品を考案することは、 体が満腹感を長く感じて、徐々にデンプンを糖に代え、急激に上昇することなく血中に吸収 されるのを助け、デンプン製品のエネルギー値が下がるように変えて、消費者に満腹感を 長く与え、体に良い効果をもたらすもう一つのテクニックなのです。

          デンプンの種類の変更や改造に加え、低糖質の代替品の使用も人気で、特にケトン食は、デンプンの代用とすることで満腹感が得られます。タンパク質や脂質を摂ることに 加え、カリフラワーやブロッコリーを白米と同量代用するなど、糖質を含み、グリセミック指数の高い、野菜も代用されています。スナック菓子の代わりにカリカリの野菜の葉を食べるなど、様々な新商品も生まれています。

         小麦、大麦、ライ麦などの炭水化物にはグルテンタンパク質が含まれているため、食物アレルギーがある人は食べられない可能性があります。また、一般の消費者の中にも、グルテンが健康と免疫系に悪影響を及ぼすと考えるグループもあるため、ベーカリー製品に米粉を代用するなどグルテンフリー食品が人気となっています。しかし、グルテンタンパク質はベーカリー製品の主構造であり、ケーキやパンなどのベーカリーを多孔質にし、空気を含ませる一方で、米粉はしっかりした食感(タイのバナナ菓子など)となる点が課題となっています。従って、米粉によるグルテンフリーベーカリー製品の開発においては、グルテンフリー粉の構造が、より小麦粉に近づくよう食品添加物を開発する必要があります。

          炭水化物代替食品は、消費者のニーズが高く、製品開発においても興味深い技術を持ったアイデアが多々あるため、多くのチャネルが存在していることがわかります。ITO Thailandは、タイの食品産業の持続可能な発展のため、新製品アイデアの火付け役としてお役に立てればと願っております。

Reference

1カノックガーン・パーンジャン2559. 砂糖に代わる甘味料 科学サービス局ジャーナル

http://lib3.dss.go.th/fulltext/dss_j/2559_64_202_p27-28.pdf

アクセス日: 2021年10月28日

2 Grembecka, M. (2015). Sugar alcohols—their role in the modern world of sweeteners: a review. European Food Research and Technology, 241(1), 1-14.

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