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Jan 18 2022

代替食品 Alternative foods: Protein

代替タンパク質食品

          現在の地球温暖化、干ばつ、天然資源問題、増加する災害の結果、畜産業による 食肉生産は、貧困国や干ばつ国で消費するには不十分となり、特に、世界人口が増加する 将来、栄養不良(malnutrition)の問題が生じることになります。その一方、先進国において、 畜産業は、動物への不必要な虐待であり、廃棄物を生む上に、温室効果ガスの排出や地球 温暖化の一因となる資源の使用であると見られるようになりました。さらに、健康志向や 運動志向の流れにより、高タンパク質かつ適度な割合のアミノ酸を含む食品へのニーズが 高まったことに加え、新しい食品技術により、代替タンパク質の培養や抽出が容易になったことで、新製品を試すのが好きな消費者のニーズに十分応えられようになってきました。 また、食品アレルギーの問題は、牛乳、大豆、ピーナッツ、ナッツ、ゴマ、穀物中のグル テン、魚や甲殻類など、生命を脅かしかねない、食品内の主要タンパク質アレルギーであり、食品アレルギーを持つ消費者が代替タンパク質食品に興味を持つもう一つのポイントとなり、食品のタンパク質アレルゲンの問題に、より重きを置くようになった様々な法規定や規格(GHPsなど)の改正も、動物性製品である主要タンパク質の代替製品、あるいは代替タンパク質の人気に拍車をかけています。

             現在、主な代替タンパク源は、昆虫タンパク質、植物性タンパク質、海藻・単細胞タンパク質の3つに大別されますが、昔から知られているタンパク群と、最近注目され始め研究中の新製品であるタンパク群の両方があります。タンパク抽出過程の面でも、物理的 特性、栄養価、健康効果、タンパク源の培養およびこれらのタンパク質を添加した食品の 開発の面でも、 こうしたタンパク質は、次世代タンパク質( Future Protein )として捉えられています。

               昆虫タンパクについては、タイでは昔から昆虫を食べる文化がありますが、海外では従来の家畜よりも少ない資源を使う新しいタンパク源として注目されるようになりました。特に一般的な肉(牛肉、鶏肉、卵、サーモン)よりも重量当たりのタンパク質含有量が2倍のコオロギパウダー製品(cricket powder)は、良質なアミノ酸と良質なビタミンから成り、保存期間も従来型タンパク質より長くなっています。ただし、甲殻類にアレルギーがある 消費者にとっては、昆虫タンパク質にアレルギーが出る可能性があることから、昆虫タンパク質が安全な選択肢とはならない可能性もあります。また、本格的に研究され始めたばかりの新しいタンパク源であるため、長期的な影響に関する研究や法規定はなお開発中です。

              植物性タンパク質については、植物がタンパク源となる以外に、ビタミンやミネラル、さらには抗酸化物質、食物繊維、良性脂質など様々な健康機能を持つ物質の源でもあります。高タンパクの植物性タンパク質として古くから知られているのは、豆乳や豆腐、大豆ミート、ならびに各種調味料の原料として食される大豆です。しかし、タンパク質の品質の問題や必須アミノ酸の量、また大豆アレルギーの人の存在や、製品独特のニオイの問題などから、以下のような、他の植物性代替タンパク質が求められるようになってきました。

             ナッツ アーモンド、カシューナッツ、クルミ、ココナッツなど

             穀物 米、オートミールなど

             豆類および種子 グリーンピース、ヒマワリの種など

              これらの植物性タンパク質は、製品の栄養価を高めるだけでなく、保水、ゲル化、乳化剤(emulsifier)、発泡剤(foaming agent)として、あるいは水分の浸透を防ぐフィルムとして使用するなど、製品の特性を高めるのにも役立ちます。ただし、植物性タンパク質の中には、アレルゲンの問題、必須アミノ酸の不足によるタンパク質の質の問題、大量の タンパク質を抽出する際の技術的問題、良質な感覚(色、風味、食感など)の問題を抱えるものがあります。しかし同時に、植物由来のタンパク源は、米ぬかタンパク質、緑豆春雨 産業の緑豆からのタンパク質など、他の食品産業の副産物(by-product)を使用できるため、環境や食品廃棄物問題の削減が可能になります。

                最後のタンパク源は海藻類と単細胞動物ですが、そのほとんどは、海藻(seaweed)、ウォルフィア/ミジンコウキクサ(Wolffia)、バクテリアから抽出したタンパク質や、  マイコプロテイン/菌糸体(Mycoprotein)から抽出したタンパク質など、実験室での研究 段階にあります。これらのタンパク質の長所は、栄養価が高いこと、ビタミン、ミネラル、その他機能性物質源であること、植物タンパク質よりも速く生産できること、前駆体が他の産業の副産物を使用できる可能性があることです。しかし、産業レベルでの生産開発や、 これらのタンパク質が人間の健康に及ぼす長期的な影響は、まだ研究段階であることに加え、これらのタンパク質を原材料として食品に使用することは、国際的にもまだ対応している 特定の法律がない可能性があるため、細胞遺伝物質の量、標的細胞と汚染細胞の有害物質の産生、ならびにタンパク質アレルギーが、注目すべきポイントとなります。

                代替タンパク質食品の開発にあたっては、タンパク質アレルギーや栄養価を考慮に入れる以外にもう一つ、色、風味、味、食感に対する消費者の満足度が許容範囲であることが重要です。というのは、タンパク質抽出物の中には、かなり強い独特の風味を持っている ものがあるからです。また、牛乳の代わりとして期待されている植物性ミルクなど、従来品の代替品としての製品も、例えば、牛乳の代わりに植物性ミルクをベーカリー製品の製造に 使用することで、最終製品の風味や食感が変わるかどうか、最終製品に消費者が求める特性を持たせるにはどんな改良が必要かなど、消費者に受け入れられる食感に加え、原材料  としての特性を開発していかなければなりません。特に、筋線維や脂肪から成る動物性タンパク質の食感に似せることは、まだまだ課題が多く、実現が困難な状態です。3Dプリントなどの技術の活用は、肉にかなり近い製品の開発に一役買っていますが、こうした技術は 現在、研究開発過程にあるため、新しいニーズを持った人が増加する市場競争への参入を 目指す事業者にとって、新製品の開発に投資する魅力的なチャネルになっています。

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