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Jul 18 2022

光学式文字認識(OCR)による組織のデジタル時代への適応

            光による文字の読み取り、またはOCRという名で知られていますが、これはスキャンした文書や各物体に印刷された画像などのデジタルファイルから文字を識別する技術です。システムは、カメラやスキャナーなど画像を受けるハードウェアと文字を読み取るソフトウェアで構成されています。

            食品産業において、OCR技術はとても大きな役割を担います。何故なら、原材料も製品も、製品の種別やロット番号、賞味期限、構成成分、産地、その他情報を包装に記載する必要があるからです。そのため、情報の「読み取り」及びこれら情報のデジタル媒体での保存をサポートできる技術があると管理において非常に役に立ちます。また、設定したシステムに基づきコンピューターシステムが自動的に各種の判断を下す手助けとするための情報を収集できることにもなります。

製品検査(Inspection)

            OCR技術は、印刷に問題が生じた際、印刷ヘッドの詰まりによる誤った製品情報の表示、インクが不足していることによる不完全な印刷¹や表面が濡れたことによる印刷物のぼやけ、静電気の発生による誤った印刷 (1)、インクが乾いていないうちの従業員による接触 (2)、誤った信号を送信したことによる上書き印刷など、包装の印刷の精度を検査するのに役立ちます。これらの問題は納入先からの返品を発生させる可能性があります。(特に、製品年齢に関する情報が誤って印刷された場合。)これらの検査を人間が行う場合、日々の生産量に対応するために非常に多くの人員を充てる必要が出てきます。また、従業員が疲労していれば気が付かない場合もあるでしょう。今日ではOCR技術が発展し、インクジェット印刷 (1)やドットマトリクス³など各種の印刷により表示された食品の年齢を読み取ることが可能です。

            製品年齢の他にアレルゲンの種類を表示することも、もう一つの大事な食品基準です。アレルゲンを有する、または有する可能性のある製品において、必ず正しい包装に詰められており、アレルゲンの種別について明瞭に表記されていなければなりません。この点において、OCR技術は、製品が正しい包装に詰められており、包装の印刷が完璧な品質のものであることを確実とさせる役割があります。

製品倉庫の管理(Storage management)

            通常、製品倉庫の管理において、人が食品の賞味期限を読み取り、製造日や賞味期限の順に製品を並べますが、これらの作業を繰り返し行っていると間違いが発生する可能性も上がります。(4) OCR技術を用いたデジタル媒体での食品の保存年齢に基づく製品倉庫管理、またはOCR技術を用いた各種コードの読み取りは、配送や在庫管理の効率性を上げるのに役立ちます。所定のコードから数量を数えることができるためです。

            この他にも原材料を使用順に並べたり賞味期限の順に製品販売するよう並べることもできるので、使用や販売の順番管理ミスによる期限切れ製品の管理を削減することや、安全でない食品の飲食による食品からの疾患の発生リスクを削減することに役立ちます。IoTシステムに情報を送付するための一方法としてのOCR技術に関するグラスゴー大学  (5) の研究にて、冷蔵及び冷凍管理の実験が行われました。OCR技術を用いて食品の種類や賞味期限の情報を保存し、センサーと組み合わせて使用することで温度や光、湿度などの情報を保存しIoTシステムに送付し、賞味期限をむかえた製品の通知や扉を開けることなく冷蔵・冷凍庫内にあるものを表示するなど冷蔵庫と冷凍庫の管理における効率性を上げることができます。この他にも、残り物の量から原材料の購入リストを生成したり、冷凍庫内の原材料を用いたレシピやメニューを作ったりなど、更に便利なシステムの開発を見込むことができます。

追跡とトレース、サプライチェーンの透明化(Track & trace and supply chain transparency)

            特殊で高価、汚染に脆弱な製品の例として、各ボトルにそれぞれのシリアルナンバーがあるワイン  (6) が挙げれらますが、OCR技術を用いることで当該のワインボトルの情報の追跡とトレースが可能となります。これはワインが本物であるとサプライチェーンを透明化するためで、常時確認しソースをトレースすることができます。OCR技術を使用するメリットとして、ワイン生産システムを変更する必要がないことが挙げられます。QRコードの貼り付けやRFIDタグ、その他デバイスを追加することで製品を追跡することができます。シリアルナンバーの他にOCRはボトル上に表示されているワインの種類や産地、ソース、評価スコアなどの情報をデジタルシステム上に記録することが可能です。

消費者支援(Customer helper)

            – アレルゲンアラート(Allergen alert)

            食品工場での使用に加えて、OCR技術は、アレルギー患者への製品ラベルの読み取りや患者に有害な製品のスクリーニング (7)、食物アレルギーを発症するリスクのある小児 (8)をサポートする携帯電話のアプリケーションといった形でも開発されています。

            – レシートからの食品購入情報収集(Receipt data collection)

            高齢者の食品管理をサポートするアプリケーション (9) の一部としてOCR技術が開発されました。OCR技術を用いてお店からの領収書の写真を変換し、アプリケーション内で購入した食品をリスト化し表示します。また、飲食した食事量を記録し、各日の適切な摂取カロリー量をアドバイスする機能もあります。

            – 栄養価の計算(Nutrition calculation)

            OCR技術を用いて製品の包装上の栄養価データ写真の情報をデジタル化しますが、アプリケーションを発展させることで一日当たりの食事摂取目安をアドバイスし、(10)ユーザーが日々どのカテゴリーの食品をどれだけ食べているか、どのカテゴリーの食品をもっと摂取すべきか、より健康になるための食事計画を記録することが可能です。

            – ハラルチェッカー(Halal checker)

            OCR技術を用いたアプリケーションにより、食品成分をスクリーニングします。これはイスラム教の消費者が宗教的要件を満たさない食品を避けることをサポートします。特に、コード番号 (11)、食品添加物コード、読んでも理解し難いかもしれない科学名で表示されている成分に役立つでしょう。

            OCR技術に関する追加情報に興味をお持ちの方は、お問い合わせいただき、追加情報請求、食品産業向けのOCR技術を向上させるためのコンサルティング希望のご連絡を下さい。

References

1.Koch M. & Doring A. 2011. OCV, O. OCR vs. OCV Monitoring of Printed Product Information. Technical report

2.Liu, X., Xia, M., Xia, N., Tang, S., Yao, A., & Li, W. (2021, March). Detection of characters ink dot defects on the surface of industrial products. In 2021 4th International Conference on Advanced Electronic Materials, Computers and Software Engineering (AEMCSE)(pp. 955-959). IEEE.

3.Muresan, M. P., Szabo, P. A., & Nedevschi, S. (2019, September). Dot Matrix OCR for Bottle Validity Inspection. In 2019 IEEE 15th international conference on intelligent computer communication and processing (ICCP)(pp. 395-401). IEEE.

4.Gong, L., Yu, M., Duan, W., Ye, X., Gudmundsson, K., & Swainson, M. (2018, May). A novel camera based approach for automatic expiry date detection and recognition on food packages. In IFIP International Conference on Artificial Intelligence Applications and Innovations(pp. 133-142). Springer, Cham.

5.Dong, Z., Abdulghani, A. M., Imran, M. A., & Abbasi, Q. H. (2020, April). Artificial Intelligence Enabled Smart Refrigeration Management System Using Internet of Things Framework. In Proceedings of the 2020 International Conference on Computing, Networks and Internet of Things(pp. 65-70).

6.Čakić, S., Popović, T., Šandi, S., Krčo, S., & Gazivoda, A. (2020, February). The use of tesseract ocr number recognition for food tracking and tracing. In 2020 24th International Conference on Information Technology (IT)(pp. 1-4). IEEE.

7.Rohini, B., Pavuluri, D. M., Kumar, L. N., Soorya, V., & Aravinth, J. (2021, March). A Framework to Identify Allergen and Nutrient Content in Fruits and Packaged Food using Deep Learning and OCR. In 2021 7th International Conference on Advanced Computing and Communication Systems (ICACCS)(Vol. 1, pp. 72-77). IEEE.

8.Kamis, N. A. P., & Shin, O. K. (2020). OCR-Based Safety Check System of Packaged Food for Food Inconvenience Patients. 한국디지털콘텐츠학회 논문지21(6), 1025-1032.

9.Sainz-De-Abajo, B., García-Alonso, J. M., Berrocal-Olmeda, J. J., Laso-Mangas, S., & De La Torre-Díez, I. (2020). FoodScan: Food Monitoring App by Scanning the Groceries Receipts. IEEE Access8, 227915-227924.

10.Nasir, M. A. M., & Othman, N. Z. S. (2018). Food labelling recognition using ocr for mobile application. IUTM Computing Proceedings: Innovations in Computing Technology and Applications3, 1263-1267.

11.Fadhilah, H., Djamal, E. C., Ilyas, R., & Najmurrokhman, A. (2018, August). Non-halal ingredients detection of food packaging image using convolutional neural networks. In 2018 International symposium on advanced intelligent informatics (SAIN)(pp. 131-136). IEEE.

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